
1971年に発売された仮面ライダースナックは、その後2年にわたり社会現象になるほどの大ブレイクを果たしました。スナックに付いていた「仮面ライダーカード」を子供たちがこぞって手に入れようとしたためです。集めたカードを並べては眺め、胸が高鳴ったという方も少なくないでしょう。
また、1967年に発売された「リカちゃん人形」は、発売直後から爆発的な人気を博しました。リカちゃんハウスなど周辺商品の展開もあり、これまでの累計販売数が6,000万体を超えるというロングセラーを続けてきたことで、いまや国民的玩具としての地位を不動のものとしています。
ですが、"好きなモノを手元に置く"という嗜好は決して子供だけのものではありません。
最近では、映画が大ヒットした鬼滅の刃のキャラクターグッズが大盛況で、ぬいぐるみ、アクリルスタンド、缶バッジなど、その市場規模は数千億円とも言われています。
また、いまや全国で急増しているカプセルトイ、通称ガチャガチャの専門店には、子供だけでなく大人もたくさん訪れている姿を見ます。
好きなキャラクターが目に入ってくるだけで、なんとなく元気が出る。そんな"癒され感"を持つのは、男女を問わず変わりませんし、子供も大人もまったく同じなのだと思います。
かくいう私も、デスクの端に少し大きめのゴジラを置いています。直接的に仕事の役に立つわけではありません。書類も挟めませんし、時間も計れません。でも、それでいいのです。パソコンの画面から目を上げるたび、視線がふっとそこに吸い寄せられ、なんだか少し機嫌が良くなる。それだけで十分なのです。

引き出しの奥、棚の一角、仕事デスクの片隅。そこに、人に見せることも、説明することも必要のない自分だけのコーナーを持っておく。これが実に地味に効きます。誰かに評価されるためのものではなく、「自分がときめくかどうか」だけで選んだモノや場所があるのは、"大人の贅沢"に他なりません。
私の場合、他にも癒されるグッズがいくつかあります。
まず、手ぬぐい。
手ぬぐいは、気づけばずいぶんな数になりました。ふらりと入った店で見つけた柄、季節ごとに変えたくなる柄、誰かへの土産のつもりが自分用になってしまった一枚。実用品といえば実用品なのですが、正直なところ、使う頻度よりも「畳んで棚にしまってある手ぬぐいをふと開いて眺める時間」のほうが好きだったりします。
手ぬぐいは、値段が手頃である、絵の代わりに額に入れて飾れる、飾るのに飽きたら日々持ち歩ける、使っていて色が褪せたら半分に切って台拭きにできる、そして最後にはウエスとして役割を終える・・・そんなサステナブルな感じも大好きです。

さらに最近は電子書籍のマンガにも癒されています。
若い頃に夢中で読んでいたマンガも、単行本サイズはいまや絵や文字が細かすぎて、もはやピントが合わない!そこで、とっても便利なのが、電子書籍です。
タブレットなら大きくしたいところを拡大して読めるし、大きなモニターなら雑誌サイズ並みのサイズで表示してくれるのでストレスなし!仕事で疲れた頭をちょっと休めたいというときに、かるーく好きなだけ読めるマンガは、まさに癒しの極みであります。

フィギュアも、手ぬぐいも、マンガも、まあ「なんとなく好きだったから」としか答えられないものばかり。おそらく、それが自分らしさということなのでしょう、きっと。ジャンルが揃っていなくても、統一感がなくても、雑多に混ざっているくらいの方が何となく落ち着くというのも不思議なものです。
疲れて帰ってきた日に、棚の手ぬぐいの柄がふと目に入るだけで。今日はどのマンガを読んでやろうかとページを開くだけで。あるいはデスクのゴジラと目が合うだけで。それだけで「まあ今日もいいか」と思えることがあります。
好きなモノに囲まれて暮らすというのは、実はかなり実用的なセルフケアです。ジャンルは何でも構わないのだと思います。見ていると何故かホッとするものがそばにあるというだけで、生活のコンディションが違ってきます。
高尚な理由は不要です。役に立たなくてもいいのです。誰かに説明できなくてもいいのです。あなたにも、机の端や棚の片隅に置いておきたい癒しのグッズが、きっとあるはずです。それを大事にすることが、もしかすると一番効き目のある元気の秘訣なのかもしれません。